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ゼレンスキー氏出席へ あす 平和公園訪問も検討

 ウクライナのゼレンスキー大統領が21日、広島市で開かれている先進7カ国首脳会議(G7サミット)に対面出席する見通しとなった。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせる中、その不当性を被爆地から訴える狙いがある。ゼレンスキー氏の来日は2019年10月以来でロシアによる侵攻後では初。

 広島サミット最終日の21日、主会場のグランドプリンスホテル広島(南区)での議論に加わる。岸田文雄首相との個別会談も調整中だ。平和記念公園(中区)を訪れ、原爆慰霊碑に花を手向けたり、原爆資料館を視察したりする案も浮上している。

 当初はオンライン参加が予定されていた。ウクライナがロシアに対し、大規模な反攻を計画していると注目される中、ゼレンスキー氏はG7と結束をアピールし、一層の支援を取り付けたい思惑があるとみられる。

 広島サミットには、インドやブラジルなど「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国も招待されている。エネルギーなどを頼るロシアに中立的な立場の国もあり、ゼレンスキー氏は直接やりとりすることで、協力を深めたい考えもありそうだ。

 ゼレンスキー氏は13~15日、G7のうちイタリア、ドイツ、フランス、英国を歴訪。各国首脳と会談し、武器供与や人道支援の継続を訴えた。岸田首相も3月、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問し、ゼレンスキー氏と会談した。(田中美千子)

(2023年5月20日朝刊掲載)

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