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首脳らを慰霊碑に案内 松井市長・湯崎知事 G7広島サミット開幕

 広島市で19日に開幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、平和記念公園(中区)を訪れた首脳たちを、松井一実市長と広島県の湯崎英彦知事が案内した。松井市長は「歴史的に意義深い一日になった。核兵器をなくす以外に根本的な解決はないという認識を共有してほしい」と望んだ。

 案内後、2人は市役所で報道各社の取材に応じた。米国のバイデン大統領の到着前、フランスのマクロン大統領が原爆資料館東館1階に入った時点で、「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんと折り鶴の話や、原爆孤児の展示などを首脳たちに説明したという。湯崎知事は「神妙な面持ちで、聞いてもらった」と振り返った。

 一方、被爆者の小倉桂子さん(85)と首脳たちとの対話場面は見ていないとしつつ、「心に残るものは必ずあったと思う。それをベースに議論を進めてほしい」と期待した。

 原爆慰霊碑の前では、松井市長が「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」という碑文に込められた思いや原爆ドームの歴史を紹介。「しっかり心に刻んでください」と求めたという。サミットにはウクライナのゼレンスキー大統領も対面で出席することになり「核兵器使用に至らないようにするため今の戦争状況の停止が強く求められる」と指摘した。(野平慧一)

(2023年5月20日朝刊掲載)

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