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被爆者の体験 発信して 関係団体が注文 G7広島サミット

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)に参加している首脳たちが広島市中区の平和記念公園を訪れた19日、広島県内の被爆者や若者の団体が中区で記者会見を開いた。県被団協の佐久間邦彦理事長(78)は「帰国後、被爆者の体験や核兵器の非人道性を国民に話してもらいたい」と訴えた。

 佐久間理事長は、各国首脳の原爆資料館の見学と被爆者との面会が実現し「これからの会議に生きてくる」と一定に評価した。一方で、日本政府が見学や対話の詳細を明かさないことには「納得できない」と不満を口にした。

 ウクライナのゼレンスキー大統領のサミット対面出席にも言及。「原爆のことを知ってもらいたいが、広島に来るのは政治的な駆け引きが非常に強いと感じる。私は賛成できない」と複雑な表情を見せた。

 被爆2世である県労働組合会議被爆者団体連絡協議会の中谷悦子事務局長(73)は、資料館の見学時間が短かったと指摘し「もう少し被爆者と交流してほしかった」と注文した。広島の若者たちでつくる「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の高橋悠太共同代表(22)は「核兵器の非人道性を認識したのか。首脳一人一人の言葉に注目したい」と語った。(河野揚)

(2023年5月20日朝刊掲載)

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