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観光地宮島 にぎわい復活 入島規制50時間ぶり解除

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)に伴う廿日市市の宮島の立ち入り規制は20日午後2時に解除された。規制開始の18日正午以来、50時間ぶりに往来の制限がなくなった。対岸の宮島口と結ぶフェリーには解除後、多くの観光客が乗船し、世界遺産の厳島神社などを訪れた。

 対岸の宮島口フェリー旅客ターミナルでは午後2時、外務省が島民たち向けに設けた識別証のチェックポイントの運営を終えた。同ターミナルにはフェリーの運航再開を待つ大勢の観光客が押しかけ、同2時10分発の再開初便は、定員いっぱいの460人が乗った。

 多くは下船後すぐに厳島神社へ。滋賀県甲賀市の会社員福永有季さん(23)は大鳥居をバックに記念撮影し「サミット中継のテレビで見た光景」と感激していた。宮島口で約3時間待って宮島へ渡った英国人のデビット・マニングさん(45)は「神秘的で美しい島。これから弥山に登るよ」と楽しんでいた。

 ただ、規制解除が午後だったため宮島表参道商店街は約80店のうち店を開けたのは1割程度にとどまった。21日は多くの商店が店を開ける見込み。宮島水族館は22日に営業を再開する。土産物店員男性(57)は「サミットで島を世界にPRできたが3日間売り上げがなかった。品物をそろえてお客さんを迎えたい」と気を引き締めていた。

 この日の午前、G7首脳の配偶者たちが厳島神社を訪問。社殿を見学し、舞楽を鑑賞した。島内のブルワリーでは昼食を取った。19日は首脳が島内の旅館で核軍縮・不拡散について話し合うなどした。宮島は2日続けてサミットの協議、行事の舞台となった。(永井友浩、八百村耕平、長部剛)

(2023年5月21日朝刊掲載)

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