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警戒ピリピリ 流川閑散 広島の飲食店 サミット効果 今後に期待

 広島市中区の繁華街、流川地区ではこの週末、先進7カ国首脳会議(G7サミット)と期間がかぶり、行き交う人波も途切れ途切れとなっている。新型コロナウイルスの「5類」移行に伴い、にぎわいを取り戻しつつあったが、大規模な交通規制の影響もあり、一転。飲食店関係者は寂しい客入りを嘆く一方、サミット効果による今後の集客に期待している。

 サミット初日の19日は最も繁華街がにぎわう金曜。しかし、流川通り周辺は閑散とし、休業する飲食店も目立った。南区の会社員男性(54)は「遅くまで飲める金曜なので来てみたが、雰囲気がピリピリしている。今日は帰る」と家路を急いだ。米国から夫婦で訪れた会社員ボー・レイエスさん(41)は「店がすいて快適だったが、普段の活気を見たかった」と残念そう。

 バーを営む男性(37)は「お客は普段の3分の1ぐらい。週末は書き入れ時だけに厳しい」とこぼす。週末は15席がほぼ満席というステーキ専門店も半分が空席に。店主の男性(31)は「来週になればまたお客が戻ってくる」と前を向く。

 一方、堀川町のバーには19日、カナダのメディア関係者5人が来店。オーナーの男性(43)は「もともと海外客が7割を占める。口コミを見て来てくれたようだ」と喜んでいた。

 IT企業クロスロケーションズ(東京)がスマートフォンアプリ利用者から得た匿名の位置情報を基にしたデータを中国新聞が分析すると、19日午後5時以降に流川地区に滞在した人は1週間前より約6割減っていた。商店主たちでつくる流川エリア活性化協議会の久保田耕一事務局長は「サミットで広島の知名度が上がることは街にとって確実にプラス材料。観光客をもてなす機運を高めたい」と力を込めた。(政綱宜規)

(2023年5月21日朝刊掲載)

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