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ぶれずに平和発信 若者の決意 動画に 国際メディアセンターで披露

東区・牛田中の卒業生8人が制作

 広島市東区の牛田中の卒業生8人が在学中に制作した動画が、先進7カ国首脳会議(G7サミット)を取材する国内外メディアの拠点となっている県立総合体育館(中区)内の国際メディアセンターで披露されている。被爆地から若者の平和への思いを広く発信しようと英語のナレーションを付けた。

 中3だった昨年度、放送部の活動で制作した動画を英語に吹き替えた約10分の作品。生徒たちはロシアのウクライナ侵攻を受け、これまで積み重ねてきた平和活動や学習の意味に疑問を抱く。そこから被爆者や核兵器廃絶に向けて取り組む人たちの話を聞く中で、広島の若者の役割を再認識する過程を描いた。

 取材で特に心に響いた言葉が、NPO法人ANT―Hiroshima(中区)の渡部朋子理事長の「微力だけど無力じゃない」。生徒たちは原爆投下という過去と平和な未来をつなぐことが使命だと考え、動画の中で「微力でも軸線を描いていきたい」と決意を語る。平和記念公園(中区)内の原爆資料館と原爆慰霊碑、原爆ドームを南北に結ぶ「軸線」になぞらえ、動画のタイトルは「平和の軸線」とした。

 今年1月に市教委を通じてG7サミット関連での上映を伝えられ、高校受験後に英語への吹き替えに取り組んだ。当時の部長で基町高1年橋本真子さん(15)は「思いを行動にすることが大切だと海外の人にも伝われば」と力を込める。動画は牛田中ホームページでも公開している。(岸慶太)

(2023年5月21日朝刊掲載)

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