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外国人の記者らに 広島の食アピール 知事 核の非人道性訴え 市長

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)の取材拠点となっている国際メディアセンター(広島市中区)で、湯崎英彦知事と松井一実市長が20日、開催地のアピールに汗を流した。世界中の報道陣や研究者が集まる格好の場で、広島の食のPRや、核兵器の非人道性の訴えを強めた。

 湯崎知事は日本食コーナーで、比婆牛を使ったハンバーグ風の料理を紹介。「どうぞ」などと呼びかけながら集まった人たちに1食ずつ手渡していた。カナダ・トロント大のジュリア・クリク研究員(35)は「口の中でとろけ、香りもよかった。みんなに紹介したい」と笑顔だった。

 比婆牛は首脳たちの19日夜の食卓にも登場。湯崎知事は「広島の味を世界に広げたい」と話していた。

 松井市長は被爆者の体験談を聴きに集まった外国メディア約30人を前にあいさつ。「一発の爆弾が無差別に多くの命を奪い、町を壊滅させ、生き残った人たちの人生も大きくゆがめた」と核兵器の非人道性に触れ、「自分ごとと捉えれば、核兵器がない世界を願うヒロシマの心を理解してもらえると思う。広く発信してほしい」と述べた。

 メディアセンターでは官民でつくる広島サミット県民会議が「広島情報センター」を開設し、備後絣(がすり)や熊野筆などの伝統工芸品や地酒など広島の食を紹介。20日夜には広島国税局などが鏡開きを催し、地酒やワインなど県産の酒類をアピールした。(加田智之、桑島美帆)

(2023年5月21日朝刊掲載)

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