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比婆牛やワイン 首脳提供に沸く 広島サミット 初日の食卓に並ぶ 地元歓迎 PR販売も

 広島市で開催中の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、首脳や配偶者たちが囲んだ初日19日の食卓には、県北産の和牛やワインも提供された。20日、地元関係者は歓迎し、一部はPR販売も。一方、交通規制が続く広島市などを避けての県北訪問も見られた。(小島正和、三宅瞳)

 外務省によると、庄原市の特産品では、宮島(廿日市市)の老舗旅館「岩惣」で首脳の夕食メニューに広島牛(比婆牛)が並んだ。広島市西区での配偶者向けプログラムでも昼食の飲み物の一つに、高野りんご加工組合の高野りんごジュースが名を連ねた。比婆牛提供に木山耕三市長は「関係する多くの方の尽力のたまもの。これまでの努力が報われた」とコメントした。

 2品を扱う道の駅たかの(高野町)では20日午前、売り場にPRのポップを急きょ掲げた。山陰旅行の帰路に、比婆牛ロース肉のパックを購入した廿日市市の公務員川上賢昭さん(47)は「首脳が食べた肉をいただくのはぜいたく。今晩、家族と食べます」と話した。道の駅スタッフは「ジュースは看板商品の一つ。さらにおいしさを発信したい」。

 三次市からは、広島三次ワイナリー(東酒屋町)の「TOMOÉ(トモエ)シャルドネ新月2020」が、グランドプリンスホテル広島(広島市南区)であった首脳の昼食会で提供された。20年収穫の地元産ブドウを使った白ワイン。サミットでの提供を願い、昨夏発売した約2千本の一部を確保していた。21年収穫分は7月販売予定。

 既に東京や広島の卸業者から問い合わせがあったといい、山縣隆社長は「畑や醸し方にこだわった肝いりワイン。ブドウ生産者も喜んでくれるはず。全国的な知名度アップにつなげたい」と感慨深げ。

 また、宮島での首脳の夕食には、三次米を使った雷おこしも提供された。

 県北エリアへの余波は他にも。庄原市高野町の大鬼谷オートキャンプ場によると、週末の稼働率は例年より多い8割ほど。運営する「緑の村」の根波裕治社長は「広島市のお客さんを中心に連泊が目立つ」。三次市東酒屋町のトレッタみよしに夫婦で訪れた広島市安佐南区の会社員南部弘行さん(54)は「市内は移動が難しい。せっかくなので道の駅巡りです」と話した。

(2023年5月21日朝刊掲載)

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