×

ニュース

子どもや妊婦の被曝対策を訴え 広島で福島原発事故講演

 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響をテーマにした講演会が15日、広島市中区のアステールプラザであった。放射線被曝(ひばく)に詳しいオーストラリア出身の小児科医ヘレン・カルディコット博士(75)が講師となり、低線量被曝による子どもの健康被害に警鐘を鳴らした。

 カルディコットさんは欧州連合(EU)の内閣府が2月に発表した放射性物質の濃度を示す世界地図を紹介し、福島を中心に汚染が広がっていると指摘。「子どもや胎児は低線量でも被曝すると、大人より影響を受けやすい」などと強調し、子どもや妊婦への対策の必要性を訴えた。

 福島の事故発生から3年を迎えたのに合わせ、被爆地で核問題の議論を深めようと、平和活動や環境保全に取り組む米国の財団が主催。市民ら約200人が参加した。廿日市市の無職中谷悦子さん(66)は「知らない情報が多く驚いた。政府は国民の立場で対策を考えてほしい」と話していた。(川手寿志)

(2014年3月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ