×

ニュース

核やLGBT「失望」 NGOやNPO 声明を低評価

 先進7カ国首脳会議(G7)に対して、核兵器廃絶や性的少数者の権利保護などの政策提言を行ってきた国内外の非政府組織(NGO)やNPOでつくる団体が21日、広島市中区で記者会見を開き、広島サミットの首脳声明について評価や見解を示した。「失望している」「期待外れ」など厳しい意見が目立った。

 市民を代表する「Civil7(C7)」のメンバーで、NGOピースボート共同代表の川崎哲(あきら)さんは、C7が求めてきた核兵器廃絶の時期の目標が声明で示されなかったことについて「政治的な決断と行動を放棄している。被爆地広島を踏みにじるもの」と断じた。

 国際保健に関する提言をまとめたC7メンバーで、NPO法人アフリカ日本協議会共同代表の稲場雅紀さんは新型コロナウイルス禍で、ワクチンや治療薬の確保力で先進国と途上国の間に大きな格差があったと指摘。「次の感染症パンデミック(世界的大流行)で同じ格差が生じないための取り組みに期待していた。だが、G7による資金や技術貢献の計画が示されなかった」と残念がった。

 性的少数者に関する提言を行ってきた「Pride7(P7)」のメンバーで、一般社団法人LGBT法連合会事務局長の神谷悠一さんは、声明に「(性的少数者が)暴力や差別を受けることなく生き生きとした人生を享受することができる社会を実現する」と明記したことは評価できるとした一方、「法整備など具体策の言及がなく十分でない」と訴えた。(久保友美恵)

(2023年5月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ