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地場企業 おもてなし 要人らに平和や食文化発信 オタフクソース・おりづるタワー

 広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、地元企業が各国の要人をもてなした。オタフクソース(西区)は、英国のスナク首相にお好み焼き作りを指南。平和記念公園に近い中区のおりづるタワーでは、ビルを運営する広島マツダ(中区)の松田哲也会長が首脳の配偶者を迎えた。交流を通じ、食文化や平和への思いを発信した。

 オタフクソースは20日午前9時20分ごろ、お好み焼き作り体験施設オコスタ(南区)にスナク氏を迎えた。英国メディア向けの体験会の最中だった。講師役の堀江公二郎さん(25)は「英国の要人が来るとは聞いていたが、まさかスナク首相とは」と驚き、へらの使い方を身ぶりで教えた。

 スナク氏は「オッケー?」「グッド?」と笑顔で話しかけ、薄く延ばした卵にお好み焼きを手際よくのせた。堀江さんは「タイトな日程だったはず。広島の食文化を体感してくれ本当にありがたかった」と喜ぶ。

 帰り際に、スナク氏は英国大使館が持参した官邸のプリント入りのエプロンにサインし、スタッフに贈った。約15分の滞在に「和やかな雰囲気に包まれ、もてなす自分の方が幸せで楽しい時間を過ごさせてもらった」。堀江さんはエプロンを手に笑みを浮かべた。

 おりづるタワーでは19日、県内の学生や生徒が集う次世代平和シンポジウムがあり、首脳の配偶者も出席した。「未来志向で、今の広島の平和を世界に広めたい」などとスピーチした松田会長は「被爆から立ち上がった広島の風景に触れてもらい、思いは伝わったはず」と振り返った。(小川満久、村上和生)

(2023年5月22日朝刊掲載)

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