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在日被爆者ら「感無量」 広島サミット

 韓国の尹錫悦大統領が現職として初めて平和記念公園(広島市中区)の韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れたのを受け、現場で立ち会った在日被爆者と2世のうち9人が広島市内で記者会見した。待ち望んできた大統領の訪問に感慨を深め、日韓首脳そろっての献花も歓迎した。

 「夢のよう。感無量だ」。権養伯(クォン・ヤンベク)さん(79)=東広島市=はしみじみと語った。公園対岸にあった同慰霊碑の移設に奔走。歴代大統領に訪れるよう訴え続け、ついに念願がかなった。

 朴南珠(パク・ナムジュ)さん(90)=西区=も「本当に長生きして良かった」と両首脳の訪問を喜んだ。「『近くて遠い国』といわれてきた両国だが、近い国になった。私たちはもっと仲良くしていかなければ」と笑顔を浮かべた。

 被爆2世で韓国原爆被害者対策特別委員会の権俊五(クォン・ジュノ)委員長(73)=同=は、今回の訪問が韓国でも広く報道されていると紹介した。「韓国の若者たちも今後訪れてくれると思う」とし、核兵器のない世界に向けた行動の広がりに期待した。

 在日本大韓民国民団(民団)広島県地方本部の元団長でもある朴義鍾(パク・ウイジョン)さん(83)=南区=は「胸いっぱい」と話し、今回のきっかけになったG7サミット拡大会合に尹大統領を招待した岸田文雄首相にも感謝した。(伊東雅之、小林可奈)

(2023年5月22日朝刊掲載)

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