×

ニュース

韓国人慰霊碑に献花 日韓首脳 握手・黙とう 現職大統領では初めて 広島サミット

 広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)の拡大会合に出席した韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が21日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、岸田文雄首相とそろって韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花した。韓国の現職大統領が慰霊碑を訪れたのは初めて。(森田裕美)

 対面した尹大統領と岸田首相は握手を交わし、神妙な面持ちで慰霊碑の前へ。両夫人と共に白いユリやコチョウランなどの花束を手向け、10秒余り黙とうをささげた。広島の在日韓国人被爆者や2世たち10人も立ち会った。

 献花に続き、両首脳は公園内の国際会議場で会談した。岸田首相は、共に献花したことを「日韓関係においても世界の平和を祈る上でも大変重要なことだと感じている」と述べた。尹大統領は「犠牲者への追悼と同時に、平和な未来を準備するための岸田氏の勇気ある行動として記録されるだろう」と評価した。

 尹大統領は献花に先立つ19日、在日被爆者たちと市内で面会し、約30分にわたって対話。「皆さんが苦難と苦痛に直面している時に一緒にいることができなかったことを、政府を代表して深くおわびする」と語った。  韓国人原爆犠牲者慰霊碑は1970年、被爆死した朝鮮王族の李鍝(イウ)公が救助された場所に近い本川橋西詰め(中区)に建立され、99年に対岸の平和記念公園内に移された。

(2023年5月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ