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核の悲惨さ思い知らされる バイデン氏、痛感 広島サミット閉幕

 米国のバイデン大統領は21日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の終了後に広島市中区のヒルトン広島で記者会見した。19日の平和記念公園(中区)訪問について「核戦争が起こればいかに悲惨であるかを、強く思い知らされる場だ」と振り返った。(金崎由美)

 バイデン氏は会見の冒頭で広島サミットの成果を総括。「平和を構築する努力を決して止めないという共通の責任をG7の首脳で確約した。核兵器による脅威のない世界を目指すわれわれの関与をあらためて表明する」と強調した。

 広島サミット初日に、バイデン氏は核兵器を持つ英国、フランスを含む参加国と欧州連合(EU)の首脳と共に原爆資料館を見学し、被爆者の小倉桂子さん(85)と対面。原爆慰霊碑へ献花した際は、左胸に手を当てて犠牲者を追悼した。資料館では「世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう」との決意を記帳した。

 原爆投下国の現職大統領による広島訪問は、2016年のオバマ氏に次いで2人目。バイデン氏は上院議員として長年、核軍縮問題に取り組んだ経験を持ち、「核兵器なき世界」を掲げたオバマ政権では副大統領を務めた。

(2023年5月22日朝刊掲載)

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