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首相 G7「大きな成果」 閣僚も相次ぎ評価

 岸田文雄首相は22日、地元の広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を振り返り、被爆の実態を各国首脳に発信する上で「大きな成果を上げることができた」と強調した。閣僚からも首相の掲げる「核兵器のない世界」へ向けた成果があったとの発言が相次いだ。(口元惇矢、山瀬隆弘)

 首相は官邸での報道陣の問い掛けに「世界の政治リーダーに被爆の実相に触れてもらうことができた」と答えた。中区の原爆資料館の芳名録や交流サイト(SNS)への首脳の投稿から「見て取れる」と説明。昨年発表した行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」の取り組みを進めるとも述べた。

 自民党役員会でも首相は19~21日の広島サミットについて「NPT(核拡散防止条約)体制の維持強化を図る決意と今後の行動を示すG7初の独立文書(広島ビジョン)を発出した」と報告した。

 林芳正外相は参院決算委員会での無所属の三上絵里氏(広島)との質疑で、サミットでは初めて核軍縮に特化した文書「広島ビジョン」が発表されたことに言及。林氏は「核兵器のない世界という理想に向けた歩みを進めるための今後の取り組みの基礎を確保し、核軍縮進展への国際社会の機運をいま一度高めることができた」と述べた。

 松野博一官房長官も記者会見で「各国首脳との間で胸襟を開いた議論が行われた」と指摘し、広島ビジョンについては「力強い歴史的な文書になった」と評した。広島サミットをきっかけに政府として「より多くの核兵器国の関与を得る努力を継続し、現実的かつ実践的な取り組みを力強く進めていく」との考えを示した。

(2023年5月23日朝刊掲載)

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