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平和への願い込め 各国首脳へ贈り物 佐々木禎子さんの折り鶴 ステンレスで複製品 福山のキャステム 折り目・しわ再現

 平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんが折った折り鶴の複製品が、広島市で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で各国首脳たちに配られた。複製品を手がけた精密金属加工のキャステム(福山市)が22日、発表した。

 ステンレス製で、縦0・7センチ、横2・3センチ、重さ1グラム。羽根の裏側に「G7 HIROSHIMA」の刻印が入っている。首脳たちが原爆資料館を見学した19日、芳名録を書いた机の上に置かれた。配偶者や韓国など招待国の首脳にも配られたという。

 同社は2021年、禎子さんが最後に病床で折った紙の鶴を、禎子さんの兄雅弘さん(81)=福岡県=から借りて複製。3Dスキャンで折り目やしわまで忠実に再現した。サミットにあたり、雅弘さんの次男祐滋さん(52)=東京都=が岸田文雄首相に贈呈を要望した。

 同社新規事業本部の池田真一さん(37)は「禎子さんの平和への祈りが、広く世界に届くきっかけになったと思う」と期待している。(門戸隆彦)

(2023年5月23日朝刊掲載)

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