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旧被服支廠の活用訴え 被爆建物 広島で懇談会発足

 被爆建物の旧陸軍被服支廠(ししょう)(広島市南区)の活用を求める市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」が16日、発足した。中区の原爆資料館東館で記念行事があり、今後、建物を管理する県に具体的な要望や提案をしていく方針を申し合わせた。

 元動員学徒を中心に会員は約130人。中西巌代表(84)が「いまは説明板もない状況。耐震補強に向けた調査も含め、県に要望したい」とあいさつし、現地で被爆証言を聞く行事を開くなど市民の関心を高めるアイデアを語った。

 この日は会員や市民約80人が出席。広島大の水島裕雅名誉教授が講演し、原爆投下の直後、同支廠に収容された負傷者を見舞った、峠三吉の原爆詩集の一節を紹介した。「峠の原点と言える」と、支廠の文学的な価値を指摘し、支廠内への文学資料室の設置や芸術活動の場としての活用を呼び掛けた。(馬場洋太)

(2014年3月17日朝刊掲載)

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