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[広島サミットを終えて] お巡りさんありがとう 主会場の南区で住民見送り 連日警備 各地で親切な対応も

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)閉幕に伴い、全国の都道府県警から集まった警察官の大半が22日、広島から姿を消した。東京以外であるサミットとしては異例の厳戒態勢で、市民も多くの警察官に触れる機会となった。

 この日朝、主会場のグランドプリンスホテル広島がある南区元宇品町で「ありがとう感謝」とのメッセージを持つ住民約60人が集まった。特別派遣部隊の車両15台を見送った中学2年山本結芽さん(13)は「遠くから来て暮らしを守ってくれた。お互いの地元の名産品話で盛り上がることもあった。少し寂しい」。

 警察車両や警察官が目立ち始めたのは大型連休中から。最大で約2万4千人の態勢だった。2016年の伊勢志摩サミットの約2万3千人を上回る。

 サミットが始まると、首脳の車列を見ようと沿道の市民が増えた。福島県警の警察官が「押して倒れたりすると、車がびっくりして猛スピードで行ってしまって写真も撮れません!」とユーモアを交える場面も。親子連れに「迷子になるから前においで。来たら手を振ってあげよう」と「神対応」する姿もあった。

 慣れない土地とあって、警備車両が広島電鉄の路面電車と接触。広島では右折時に注意している「あるある」の事故だった。JR広島駅や平和記念公園の落とし物などで不審物騒ぎもあり、公共交通がストップする事態もあった。

 とはいえ大きな事件は発生せず、警備以外でも市民を守る姿があった。本紙に読者からお礼のメッセージが届いた。「息子が自転車のチェーンが外れて困っていたら、栃木県警の警察官が修理してくれた。暑い中で大変な苦労をされていても、困っている人に声を掛けてくれた。感謝の気持ちでいっぱいです」

(2023年5月23日朝刊掲載)

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