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福山のバラ サミット彩る 会談会場を装飾/酵母使った日本酒提供 市、25年の世界会議PRも

 広島市で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で福山市花のバラが装飾に採用され、会場を彩った。各国代表団にはバラ酵母を使った蔵元天宝一(福山市神辺町)の日本酒が振る舞われた。市は2025年の世界バラ会議福山大会に向け、戦災復興の象徴となったバラの歴史や大会をPRした。

 市によると、装飾には、白い大輪の花を咲かせる「ローズマインドふくやま」をはじめ、福山の名の付く3品種を含む7色のバラ960本が現地に届けられた。岸田文雄首相と各国首脳による2国間会談などの会場となったグランドプリンスホテル広島(広島市南区)の部屋などの装飾に使われた。

 福山市新涯町のバラ農家、土井静雄さん(78)はハウスで手塩にかけて育てた60本を出荷。「咲き頃のバラを選んだ。世界バラ会議福山大会の盛り上がりにつながってほしい」と願う。

 市はG7サミットの広島開催決定を受け、昨年8月、会場装飾でのバラの活用などを外務省に要望。今年4月に同省から採用の連絡があり、会場設営を担う専門業者との間で色や本数などの調整を進めていた。

 各国の代表団向けの食事会場には福山大が開発したバラ酵母を使い、天宝一が造った酒「ローズマインド」が並んだ。瓶には世界バラ会議福山大会のロゴマークや大会名を英語表記したラベルを貼り、開催をPRした。

 開幕に先立ち、18日に広島市東区で開かれた歓迎レセプションでは、市が大会のPRブースを設置。福山暁の星女子中高の生徒が平和への祈りを込めて作った「折りばら」を、在大阪・神戸米国総領事館のリチャード・メイ・ジュニア総領事たち各国の関係者に配った。 (門戸隆彦)

(2023年5月24日朝刊掲載)

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