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広島サミットを終えて] 発信・交流 宮島は評価 島民の声 入島規制 観光に影響

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)で各国首脳が訪れた宮島(廿日市市)。厳島神社でのG7首脳の記念撮影などを通じ世界に島が報じられ、子どもたちは首脳や配偶者と交流する機会もあった。好意的な受け止めが目立つ一方、観光客たちの入島を3日間規制し観光業が影響を受けた。(永井友浩、八百村耕平)

 「世界のリーダーが広島を訪問し、宮島と結びつけた。とても意味があった」。島内で歴史案内などに携わる舩附洋子さん(71)は、サミットを評価した。首脳が訪れた19日には厳島神社の入り口近くで、米国のバイデン大統領の姿を撮影。「歴史的瞬間に立ち会えた」と喜ぶ。

 島の小中学生約20人はG7首脳や配偶者を桟橋で出迎えた。小学4年の長女が歓迎セレモニーに参加した植田愛子さんは「一生に一度の機会。子どもの成長にもいい影響があると思う」と話す。宮島小・中の林健一郎校長は「子どもが世界情勢や環境問題に関心を持ち、島を誇りに思う経験となった」と振り返る。

 一方、サミットに合わせて観光客たちの入島規制があり、5月の宮島への修学旅行を避ける動きもみられた。もみじまんじゅう店の社長は「前後1週間は修学旅行生が極端に少なくて結構な売り上げ減になり、パートのやりくりも苦労した。事前に丁寧な説明が欲しかった」と課題を挙げた。

 土産物店を営む男性は「島のブランド価値はもう十分高い。それより観光客増大に伴う影響『オーバーツーリズム』対策をしてほしい」と求めた。松本太郎市長は「島民から厳しい意見も頂いた。サミットの恩恵を継続できるよう取り組んでいく」と総括した。

(2023年5月25日朝刊掲載)

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