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[広島サミットを終えて] 記念品出品が横行 福山特産デニム生地バッグ

業者「意図踏みにじる行為」

 広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)の記念品として配られた福山市特産のデニムで作ったバッグが、インターネットのフリーマーケットサイトに相次いで出品されている。製造した業者は「備後の文化を知ってもらおうと企画しており、意図を踏みにじる行為」と嘆いている。

 外務省は約3500個の「サミットバッグ」を用意。折り鶴の再生紙を使ったメモ帳やハト形に圧縮したタオルなど5点とセットにして、各国代表団のほか、広島県立総合体育館(広島市中区)に設けられた国際メディアセンターで報道関係者に配った。

 24日時点で、フリマアプリで検索すると「非売品」などとしてバッグの出品が10件以上確認できる。セットした品物を含めて3万円以上の値段を付けているケースもあった。

 バッグは福山市内の7社が作製。黒色、和紙の糸を織り込んだ生地、伝統の刺し子風模様の3種類のデニムをつなぎ、産業が集積する同市の特色を表現した。携わった篠原テキスタイルの篠原由起社長は「サミット期間中から出品されており、悲しい。出品も購入もやめてほしい」と話す。

 同社などはレプリカを1万円程度で販売する予定。準備を急ぎ、6月中に発売する。(筒井晴信)

(2023年5月25日朝刊掲載)

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