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[広島サミットを終えて] G7見届け 風通し 原爆死没者名簿124冊

 広島市中区の平和記念公園で24日、原爆慰霊碑に納められた124冊の原爆死没者名簿を外気に当て湿気を取る「風通し」があった。例年5月第3週に実施しているが、先進7カ国首脳会議(G7サミット)開催に伴う公園一帯の封鎖を受け、今年は延期していた。

 原爆が投下された午前8時15分、市職員19人が慰霊碑に黙とうをささげ、作業を開始。石室から取り出した名簿の冊子を碑前に敷いた白い布の上に並べた。青空の下、紙を1枚ずつめくって風に当てたり、石室を丁寧に拭いたりした。

 初めて見学したというボランティアガイドの西尾久美子さん(61)=東広島市=は「会ったことのない伯父たちの名前が記されている。大切にされているんだなと思った」と話した。

 名簿124冊のうち、122冊は昨年8月5日までに死亡が確認された広島の被爆者33万3907人の名前や死没年月日、死没時年齢を記載する。別の1冊は長崎の被爆者13人の名前を載せ、もう1冊は「氏名不詳者多数」と記している。

 昨年8月6日以降に亡くなるか、死亡が確認された被爆者分は6月上旬から記帳し、8月6日の平和記念式典で納める。(太田香)

(2023年5月25日朝刊掲載)

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