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[広島サミットを終えて] 「核兵器なくせぬ」半数 「核軍縮進む」は66% 広島市内で国内外200人に聞く

「開催を評価」9割超

 19~21日に広島市で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)の成果や評価について、中国新聞社は23、24の両日、市内で国内外の計200人にアンケートを実施した。回答者の9割強が広島サミットを肯定的に評価し、核軍縮につながるとの見方も7割弱に達した。一方で、核兵器を「なくせない」との回答が約半数を占めた。

 アンケートは平和記念公園(中区)など市中心部で、記者が対面形式で行った。日本人100人(うち広島市民52人)、主に観光で訪れた外国人100人から回答を得た。

 広島サミットの評価は「良かった」が51・5%、「どちらかといえば良かった」が41・0%。前向きな評価が9割を超えた。「良かった」は日本人で59・0%に達し、外国人(44・0%)を上回った。

 最も成果があったと思うテーマでは、最多の81人(日本人49人、外国人32人)が「対ロシア政策(ウクライナ侵攻の問題)」を挙げた。G7各国が結束し、武力による一方的な現状変更を図るロシアを念頭に「法の支配に基づく国際秩序」を守る姿勢を示したことが支持されたと思われる。

 ただ、ゼレンスキー大統領の広島訪問やG7首脳との会談がもたらすウクライナ情勢への影響については、日本人と外国人で見方が割れた。日本人は「停戦を含む和平への動きにつながる」が39人で最も多かったのに対し、外国人は「ロシアの反発が強くなる」が36人で最多だった。バイデン米大統領が表明した新たな軍事支援などがロシアの態度硬化を招き、事態を泥沼化させるとの懸念を外国人の方がより強く持っていることがうかがえる。

 サミットの成果で2番目に多かったのが「核軍縮」で43人。うち27人を日本人が占めた。「広島サミットを受け、核軍縮が前進すると思うか」については「そう思う」(19・5%)「少しはそう思う」(47・0%)の合計が66・5%に上った。ただし、「そう思う」を国内外でみると、外国人(22・0%)が日本人(17・0%)を上回る結果となった。

 核兵器廃絶の行方については「なくせない」が49・5%と約半数を占め、「なくせる」は24・5%。日本人に限ると「なくせる」は21・0%にとどまり、外国人(28・0%)より少なかった。唯一の戦争被爆国でありながら、日本人の方が核兵器廃絶に悲観的な結果となった。平和記念公園一帯で尋ねたため、外国人の回答者が平和や核廃絶に関心の高い人に集中した可能性もある。

(2023年5月25日朝刊掲載)

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