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原爆資料館4年かけ刷新 広島市、きょう着工

 広島市は18日、原爆資料館(中区)の全面刷新に向けた4年がかりの工事に着手する。国重要文化財の本館の耐震化に合わせて東館も改修。被爆の惨状をより伝わりやすくする展示内容や見学ルートに見直す。東館、本館の順に工事を進め2018年4月の全面オープンを目指す。工事中は規模を縮小するものの、年末年始以外は開館する。

 刷新後の本館は①8月6日の惨状②放射線による被害③魂の叫び④生きる―の各ゾーンに分け、熱線で人影が焼き付いた石や、焼け焦げた三輪車など「実物」重視の展示とする。今ある被爆者の姿を再現した人形は撤去する方針だ。

 出入り口は東館1階に統一。来館者はまず東館に新設するエスカレーターで3階へ。本館を見た後に東館に戻り、原爆投下の歴史的背景や広島の復興、核兵器をめぐる国際情勢を学ぶ―という順路になる。

 東館地下の内装から着工。秋ごろから15年度末までは東館を閉館しエスカレーター設置などを進める。16、17年度は本館を閉じ、耐震化を進める。

 全面改修は1994年の東館開館から初めてで、総事業費は約57億円。市平和推進課は「実物展示にこだわり、より人の悲しみ苦しみが伝わる内容にしたい」としている。(明知隼二)

(2014年3月18日朝刊掲載)

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