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「被爆地と共に核廃絶」 ソマリア大統領 初の広島訪問

 内戦が続いて復興途上にあるアフリカ東部ソマリアのモハムド大統領が15日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。同国大統領の広島訪問は初めて。原爆被害の実態に触れ、「被爆地と共に核廃絶を国際社会へ訴える」と表明した。

 モハムド氏は松井一実市長の案内で原爆慰霊碑に花を手向けた後、原爆資料館を見学。やけどした被爆者の写真や熱線で焼けた衣服を前に何度も「痛ましい」とつぶやいた。被爆者の梶本淑子さん(83)=西区=の体験を聴き、「過去を乗り越え、復興を遂げた広島の人たちを見習いたい」と握手を求めた。

 視察に先立ち、松井市長と懇談。「人類は悲劇を克服できるのだと、広島で学んだことを国民に伝える」と語り、松井市長も「広島をイメージし、国家を再建してほしい」と激励した。

 ソマリアは約20年間、内戦で無政府状態が続き、2012年に正式政府が発足した。モハムド氏は日本政府の招きで来日し、希望して広島を訪問。この日、帰国した。(田中美千子)

(2014年3月16日朝刊掲載)

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