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[広島サミットを終えて] ウクライナ視察団 原爆資料館見学 被爆地の復興 道しるべに

 被爆地の復興を学ぶため広島市を訪れているウクライナの政府や自治体の視察団が25日、中区の平和記念公園を訪れ、原爆資料館を見学した。地方・国土・インフラ発展省のイーホル・コルホビー調整官は、原爆投下時に人が座っていた跡が熱線で残った「人影の石」に触れ「われわれは生き、足跡を残したい」と戦禍からの再生を誓った。

 視察団の9人は豆谷利宏副館長の案内で55分見学。先進7カ国首脳会議(G7サミット)参加のため市を訪れたゼレンスキー大統領が見た「ホワイトパノラマ」前では、原爆がにぎやかな街並みを一瞬で破壊する様子を伝えるCGを見つめた。その後、原爆慰霊碑へ。コルホビー氏が、国旗と同じ青と黄の花輪を手向けた。

 報道各社の取材に、コルホビー氏は、大統領が会見で触れた人影の石について「人の命が簡単に奪われて影しか残らないのは非常に悲しい」と語った。ホワイトパノラマの感想を問われると沈黙の後、「正直、怖かった。絶対にわれわれの国に起きてほしくない。そのため国際社会は核兵器を廃絶しないといけない」と訴えた。

 視察団は国際協力機構(JICA)の招きで14日に来日し、24日に広島入りした。26日に帰国する。(宮野史康)

(2023年5月26日朝刊掲載)

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