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平和の願い20年 折りばらを紹介 福山の中高生が講師

 福山ばら祭が開幕した27日、会場の福山市中心部は熱気に包まれた。緑町公園(同市緑町)のばらのステージにはダンスや歌など9組が出演。祭りを機に広まった折りばらの20周年展のほか、福山城天守前広場(同市丸之内)も初めて会場に加わり、終日にぎわった。

 緑町公園では1945年の福山空襲からの復興を伝え、平和への願いを発信する「折りばら」の誕生20周年を記念したイベントがあった。福山ばら祭をきっかけに福山市内外に広がった歩みをパネルで紹介。中高生が折りばらや関連のグッズ作りの講師を担った。

 折りばらの取り組みは、イラク戦争のさなかだった2003年のばら祭で平和を訴えようと始まった。パネルは、折りばらを平和記念公園(広島市中区)に贈った際の写真や記事など計110枚の資料で歴史を伝えている。

 テント内では、福山暁の星女子中(福山市西深津町)の2年生が折りばらの作り方を来場客に教えた。福山工業高(同市野上町)の生徒も、画用紙を折ってかぶる「折りばら帽子」の制作やレクチャーにあたった。同高3年の一ノ宮海成さん(17)は「生まれたときから福山には折りばらの文化がある。この先も守りたい」と話す。

 折りばら作りに挑戦した同市御門町の高校2年占部瑞樹さん(17)は「折りばらを海外の人に見せた時にすごく喜ばれた。平和への思いを広げたい」とほほ笑んだ。(原未緒)

(2023年5月28日朝刊掲載)

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