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G7首脳の資料館視察 非公開 「各国事情 考慮」 参院予算委 首相が答弁

 参院予算委員会は26日、広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)に関する集中審議を開き、岸田文雄首相が首脳らによる原爆資料館(中区)の視察内容を非公開とした理由を「各国とも核兵器に対し、さまざまな国内事情や世論があることを考えた」と説明した。米国、英国、フランスなど核保有国を含む参加国に配慮した形だ。

 サミットに出席した首脳らは19日か21日に資料館を訪れた。館内での様子は報道陣に公開されず、見学した展示品も明らかにされていない。立憲民主党の森本真治氏から理由を問われた首相は「ありのままの心で被爆の実相に向き合ってもらうため」と答弁した。

 首相は核軍縮への具体策を求める声に対し、9月に米ニューヨークで予定される国連総会を「重要な機会」と強調。サミットで出した文書「広島ビジョン」でも触れた兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の重要性を確認する行事の開催に意欲を示した。

 透明性向上に関しては、核拡散防止条約(NPT)を軸に「中国やロシア、さらにNPT(で核保有が認められた5カ国)の外にいる国にも広げる努力をする」と述べた。サミット招待国のインドなどが念頭にあるとみられる。(山本庸平、口元惇矢)

(2023年5月27日朝刊掲載)

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