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20万6000人が一時避難 広島など3県68ヵ所へ 松江市、島根原発事故に備え公表

 島根県松江市は18日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備え、市民約20万6千人が一時的に避難する具体的な場所や避難ルートを公表した。対象は広島、岡山、島根の3県29市町の学校や公園など計68カ所。最終的な避難場所は約800カ所としたが、「了解が取れていない所もある」として具体名の公表は見送った。

 広島県内へは尾道、福山、府中、庄原市と神石高原町の東部4市1町に約5万1千人を避難させる。避難場所は、因島運動公園(尾道市)福山平成大(福山市)庄原工業団地(庄原市)など12カ所とした。岡山県は西部の笠岡市、井原市など13市町の23カ所に6万5千人。島根県内は、浜田市、益田市など11市町の33カ所に約9万人を避難させる。

 2012年11月に島根県が公表した避難計画に沿って、避難者の受け入れ側となる自治体と協議し、まとめた。避難時は、市内を公民館単位などで29地区に区分けし、地区ごとの住民がまとまって行動する。主な避難手法は自家用車を想定し、通る国道や交差点も詳細に決めている。

 松江市内の小中学校などからの避難については、市独自の取り組みも盛り込んだ。原発5キロ圏内の14校は、基準値以上の放射線が検出されるなどした場合、市が用意したバスで原発約10キロの松江市総合体育館(同市)まで避難させ、保護者に引き渡す。5~30キロ圏の学校は保護者が迎えに行く。

 自力での避難が困難な入院患者や社会福祉施設の入所者の避難先は3県29市町の施設で別に確保する。

 この日、松江市が市防災会議で報告した。市は、公民館などで市民対象の説明会を開くほか、市のホームページで公開する。(松島岳人)

(2014年3月19日朝刊掲載)

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