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[広島サミットを終えて] 印首相に油絵手渡し 南区の被爆2世で画家 高山さん

文化交流の架け橋誓う

 インドをテーマにした絵を描いてきた広島市南区の画家高山博子さん(65)が、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の拡大会合で市を訪れたインドのモディ首相と面会し、平和への願いを込めた自作の油絵を贈った。被爆2世の高山さんは「首相に直接手渡せ、日本とインドで平和文化を共有できた瞬間だった」と喜びをかみしめている。(太田香)

 油絵は「蓮華(れんげ)手菩薩(ぼさつ)」というタイトルで縦72センチ、横60センチ。インドの世界遺産アジャンタ石窟寺院の蓮華手菩薩と、ハスを持つ女性を幻想的に表現している。

 サミット会期中の20日、インド政府に招かれ、中区のホテルでモディ首相と面会。高山さんによると、首相から「美しい絵をありがとうございます」と感謝されたという。首相の公式ツイッターには、寄贈の様子の写真が投稿された。

 中学の美術教師だった高山さんは約40年前に初めてインドを旅行。精神的な豊かさに引かれ、主に現地の女性をモチーフに描くようになった。これまで30回近く訪問。2009年にはインド東部の国立タゴール国際大の客員教授として墨絵などを教えた。22年は日印国交樹立70年を記念し、自身とインドの画家の作品展を広島市内で開いた。

 モディ首相には、両国の芸術家同士の交流を支援するよう頼まれたという。「これからもインドとの文化交流の架け橋に」との思いを強くしている。

(2023年5月31日朝刊掲載)

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