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地域から平和の一歩を 吉舎でリーパーさん講演

 元広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさん(75)の講演会が三次市吉舎町であった。市内外の約30人が集い、テーマに掲げた「世界平和の為(ため)に私たちができること」について考えた。

 リーパーさんは、2014年から同市甲奴町も拠点として活動してきた。講演では、被爆地広島の「平和文化」について語り、「対立をいかに話し合いで解決するか。暴力では未来はない」と指摘。ロシアによるウクライナ侵攻も「怒りのエスカレートが怖い。核戦争になれば人類は自滅してしまう」と訴えた。

 「平和の敵はパワーとお金」とリーパーさん。地球規模の気候変動も懸念しつつ「一人一人ができるだけお金に頼らず生活することが、実は社会を変えていくのでは」と問いかけた。自身も来年から米国で農業に励むプランを明かし「知恵やコミュニティーの強さがあるローカルの力を見せる必要がある」と強調した。

 講演会は、北広島町のシンガー・ソングライター新屋まりさんが主宰するオフィスめろなーむが開催。新屋さんが歌声やギター演奏も届けた。(林淳一郎)

(2023年5月31日朝刊掲載)

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