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舟入むつみ園が8月耐震工事へ 県・広島市 入札不調1年遅れ

 県と広島市は8月、原爆養護ホーム「舟入むつみ園」(中区)の耐震工事を始める。当初は昨秋に着工予定だったが、施工業者を決める入札の不調で、1年近くずれ込んだ。工事中、入所者は「倉掛のぞみ園」(安佐北区)で受け入れる。2024年7月までの完了を目指す。

 市によると、4月に実施した一般競争入札に砂原組(中区)だけが参加し、5億7千万円で落札した。22年9月の入札時は応じた1社が予定価格を上回って不調に終わったため、今回は予定価格を6億2170万円に引き上げていた。工事は補強材を窓の外側に取り付けたり、壁を厚くしたりする内容。国の補助金を活用し、残額を県と市で折半する。

 入所者は7月下旬から工事完了までのぞみ園に移り、一部の希望者は在宅などで対応する。のぞみ園と舟入市民病院(中区)方面を結ぶバスなどを運行し、入所者の通院体制を整える。

 1970年完成のむつみ園は鉄筋5階、地下1階建てで、定員は100人。17年度の耐震診断で震度6強から7程度で倒壊などの危険性が高いと判明した。市調査課は「入所者に不便をかけて申し訳ないが、バス運行などで不安解消に取り組み、工事を進めたい」としている。(小林可奈)

(2023年6月2日朝刊掲載)

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