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被爆地両トップが会談 広島・長崎市長 サミット意義共有

 4月に就任した長崎市の鈴木史朗市長が1日、初めて広島市役所に松井一実市長を訪ね、会談した。被爆地の両トップは広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)開催の意義を共有。核兵器廃絶へ連携を強化する考えで一致した。

 会談の冒頭、被爆2世の鈴木市長は「核兵器の恐ろしさや残酷さを両親から教えられた」と自己紹介。「被爆者の思いを伝える上で広島市との緊密な連携は不可欠」と強調した。松井市長も「被爆地で思いを一にし、世界平和に向けて国際世論のけん引を」と応じ、その後は非公開で意見交換した。

 終了後の記者会見で、鈴木市長はG7で合意した核軍縮に関する文書「広島ビジョン」の感想を問われ「サミットで成果文書を出せたことは極めて意義が大きい」と評価。核兵器禁止条約に言及していない点については「完成形ではないが、大きな一歩」と述べ、松井市長も「核軍縮の先に核廃絶がある」と受け止めた。

 鈴木市長は長崎市出身。九州運輸局長などを経て、4月の市長選で初当選した。会談前には平和記念公園(中区)を訪問。原爆慰霊碑に献花し、原爆資料館を見学した。(野平慧一)

(2023年6月2日朝刊掲載)

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