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平和メッセージ 駐日大使に届け 広島市プロジェクト 中学生36人、文案考える

 8月6日に広島市内の中学生が各国の駐日大使に平和のメッセージを届ける市の「伝える HIROSHIMA プロジェクト」の研修が3日、中区の原爆資料館で始まった。本年度は2、3年生36人が参加。初日は5月に市内であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を振り返り、一人一人がメッセージに盛り込む内容を考えた。

 冒頭で広島大大学院の中矢礼美教授が「平和をめぐるコミュニケーション」と題して講話。メッセージを作る上で「過去に日本から被害を受けた国もある。歴史や文化の背景を考えることが大切」と助言した。

 続いて生徒は班に分かれ、G7の各首脳の立場を想定して意見を交わした。米国役の生徒は「核兵器を手放せば自国が不利になる」、英国役は「核で威嚇すれば戦争が長引く」などと話した。この日の学びを踏まえ、あらかじめ書いていたメッセージ文を修正した。

 2015年度に始まった同プロジェクトは、将来の平和を担う生徒の主体性や課題解決力を高めるのが狙い。本年度は1408人の応募があった。7月22日まで4回の研修を予定し、今後は被爆者や留学生たちと交流してメッセージを完成させる。仁保中3年の山代屋陽平さん(14)=南区=は「ただ平和を訴えるのではなく、いろいろな国に伝わるような内容にしたい」と話していた。(湯浅梨奈)

(2023年6月4日朝刊掲載)

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