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ウクライナ親子 笠岡で新生活 ロシアの軍事侵攻から避難 住民歓迎 市長とも面会

 ロシアによる軍事侵攻が続いているウクライナから避難してきた、マリーナ・モカンさん(38)と長男イリアちゃん(2)親子が笠岡市に移住し、2日、小林嘉文市長と面会して歓迎を受けた。入居した市営住宅で、地域から贈られた生活用品に囲まれながら、新生活をスタートさせた。ウクライナ避難民の受け入れは井笠地域では初めて。(谷本和久)

 親子に面会した小林市長は「官民を挙げてサポートしたい」と約束し、生活支援金をモカンさんに手渡した。モカンさんは「笠岡は自然が多いと聞いている。休日は市内を巡りたい」と希望に胸を膨らませていた。

 親子は面会に先立つ1日に笠岡市内へ到着。ウクライナの手旗を持った住民から出迎えを受けた後、市営住宅へ入った。3DKの室内は家電量販店から贈られた冷蔵庫や洗濯機、ホームセンターからの布団などがそろっていた。

 モカンさんは「多くの方に歓迎され、物もそろっていて夢のよう。これからは普通の生活をしたい」と笑顔を見せた。イリアちゃんはプレゼントされた木の車などのおもちゃで早速遊んでいた。近くの西久保幸司さん(68)と妻寿子さん(69)は「日本での生活は大変だと思うが、困っていたら力になりたい」と話した。

 モカンさんはザポロジエ州出身で、昨年9月に来日し、関東地方の一時滞在施設などで暮らしていた。夫と娘はスペインへ避難し、今は帰国している。モカンさんは今後、笠岡市内のホテルに勤務し、イリアちゃんは保育園に通う予定。4月に親子2人の移住希望が市にあり、受け入れが決まった。

(2023年6月3日朝刊掲載)

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