×

ニュース

核廃絶訴え継続へ 広島県被団協総会 G7「前進なし」

 広島県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)は5日、広島市中区で総会を開いた。5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を総括し、期待したような核兵器廃絶に向けた前進はなかったとしつつ、各国首脳が被爆の実態に触れた点は評価。核兵器廃絶を訴え続ける決意を新たにした。

 県内の被爆者団体の代表者たち約50人が出席した。箕牧理事長はあいさつで「G7だけで世界の核兵器廃絶は不可能。地球から核兵器がなくなるまで訴えていこう」と呼びかけた。

 総括文書を事務局が提示。核兵器の削減や「先制不使用」政策などで前進を期待したが、核軍縮に関する文書「広島ビジョン」では核抑止論が肯定された点などを挙げ「私たちの願い、期待とは懸け離れたものとなった」と指摘した。一方でプラス面として、首脳たちが被爆者の話を聞くなどして核兵器使用の惨禍を知り「使えるものではない。使わせてはならない」という認識に至ったとの期待感も示した。

 また総会では本年度の事業計画を決めた。例年8月6日に開いていた慰霊式を5日に早める。被爆者の高齢化などを踏まえて参加者は県被団協幹部たちに限り、従来の約100人から20人規模に縮小する。(小林可奈)

(2023年6月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ