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原爆症「国基準は不十分」 広島の原告団 大阪地裁の認定受け見直し訴え

 原爆症認定の申請を新基準でも認められていなかった原告4人全員を原爆症と認定した20日の大阪地裁判決を受け、広島訴訟の弁護団や原告は、広島市中区の広島弁護士会館で記者会見した。「国の認定基準が極めて不十分であることを示した」と判決を評価し、国が認定基準を見直すよう訴えた。

 佐々木猛也弁護団長は、昨年12月に決まった新たな認定基準に言及し「司法と行政の判断の乖離(かいり)が埋まっていないことが明らかになった」と指摘した。

 広島訴訟では、原告27人のうち18人が新基準でも認定されなかった。胃がんや前立腺がんを患いながら、認定から外れた武者光人冀(みつとき)さん(70)=中区=は「認定申請から6年。国は死ぬのを待っているのか」と批判。原告団長の八木義彦さん(79)=安佐南区=は「亡くなる被爆者が加速度的に増えている。早く基準の緩和を」と求めた。

 東京では、日本被団協や原爆症認定集団訴訟全国原告団が厚生労働省を訪れ、認定制度の抜本的な改善を求める田村憲久厚労相宛ての声明を提出。甲状腺機能低下症を患う原告の綿平敬三さん(70)=東京都練馬区=は記者会見で「新基準でも認定されず、具体的な理由も教えてもらえない。不安でいっぱいだ」と訴えた。(胡子洋、藤村潤平)

(2014年3月21日朝刊掲載)

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