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サミット発信 視点多彩 中国新聞読者と報道委 統一地方選も評価

 中国新聞の報道に社外の有識者が提言する「読者と報道委員会」の第64回会合が6日、広島市中区の中国新聞ビルであった。先進7カ国首脳会議(G7サミット)や統一地方選の報道、中国新聞の小中学生向けニュースサイト「ぶんタッチ」をテーマに委員3人が編集局幹部たちと意見を交わした。

 広島大名誉教授の森辺成一さん(65)、弁護士の平谷優子さん(52)、NPO法人尾道空き家再生プロジェクト代表理事の豊田雅子さん(49)の3委員が高本孝編集局長の司会で議論した。

 5月に広島市であったG7サミットに関する一連の報道について森辺さんは「英語での発信は良かった。G7首脳に被爆の実態を伝えることも重要だが、市民が改めて核被害の記憶を継承する大切な機会にもなった」と評価した。平谷さんは「サミットに対する海外メディアの好意的なコメントだけでなく、冷めた見方も伝えてくれた。5年、10年後も中国新聞として今回のサミットをじっくり検証してほしい」と求めた。

 4月の統一地方選について、豊田さんは2019年の参院選広島選挙区での大規模買収事件で在宅起訴されながら立候補した議員を取り上げた記事に触れ「しっかり追及していた。市民やメディアがちゃんと見ているんだとけん制になった」と受け止めた。平谷さんは低迷する投票率の向上に向け「候補者の考えなど、投票先を決める参考になる情報がもっとほしかった。重要議題への議員の賛否などを紙面に掲載し、次の選挙では記事にまとめたり、インターネットで見られたりするようにしてほしい」と注文した。

 ぶんタッチについて豊田さんは「写真や動画が多く、現代っ子向けにできている。記事も検索しやすい」と評した。森辺さんは「サイトを開くたびに出題されるクイズや毎週更新される連載など、一度サイトをのぞいた子どもが続けて見たくなる工夫を加えてほしい」と指摘した。(余村泰樹)

(2023年6月7日朝刊掲載)

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