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被爆体験伝承 1日4回に 資料館 来館者増見込む 英語でも

 原爆資料館(広島市中区)は本年度、館内で開く「被爆体験伝承者」たちの講話を1日4回に増やした。新型コロナウイルス禍で過去2年は2回に絞っていたが、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催を経て来館者の増加を見込み、「あの日」の記憶に触れる機会を増やす。

 講話の開始時間は午前10時、11時半、午後1時、2時半で、うち1回は英語。各1時間で予約は要らない。2015年度に開始以来、被爆者の記憶を第三者たちが受け継ぐ「被爆体験伝承者」が担ってきたが、7日から被爆者の子や孫たち「家族伝承者」が加わる。

 資料館は新型コロナ禍で20年度は講話を実施せず、21、22年度は原則日本語だけで1日2回としていた。サミット後の先月26日にあった被爆体験伝承者の森川聖詩さん(69)=川崎市多摩区=の英語による講話は、外国人を含め約30人が聞いた。森川さんは「被爆者が高齢化し、伝承者の必要性は増している。より多くの人に被爆の実態への理解を深めてもらいたい」と意気込んでいた。(小林可奈)

(2023年6月7日朝刊掲載)

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