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被爆ナツメ元気になれ 広島市西区で「公開治療」

 原爆に耐え、今も生き続ける被爆樹木のナツメの「公開治療」が21日、広島市西区西観音町の平和大通りであった。弱まった樹勢を回復し市民の関心を高めるために市が開き、約20人が見学した。

 ナツメは爆心地から約1・4キロにあり、高さ6・5メートル。近くの民家前で被爆し、平和大通りに移植された。幹に被爆時のものとみられる傷が残る。

 この日は、樹木医の堀口力さん(68)=西区=が「今も実をつける数少ない被爆樹木の一つだが、幹が弱っている。養分や水分を増やす必要がある」と説明。作業員5人が周りを掘り、肥料や保水性を高める改良材を入れた。

 見学した小学校教諭吉岡耕志さん(40)=同区=は「ことしも元気に実をつけてほしい」と話していた。被爆樹木は爆心地から約2キロ圏内に約170本が現存。市は2001年度から公開治療を続けている。(水川恭輔)

(2014年3月22日朝刊掲載)

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