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避難生活の現状 紙芝居に 広島市中区 福島の出身者ら上演

 福島第1原発がある福島県大熊町の出身者たちが22日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで、原発事故直後の避難生活を描いた紙芝居を上演した。主人公のモデルになった栃本翔太さん(18)=いわき市=と家族が朗読。混乱や戸惑い、放射線被害への住民不安などを訴えた。

 紙芝居は「悠稀くんの手紙」。自閉症がある翔太さんの目線で描かれた作品で、廃校に身を寄せた2週間の暮らしを伝える。約80人を前に、翔太さんと母春美さん(58)、姉の横山和香子さん(38)たち4人が読み上げた。

 翔太さんの父で昨年12月に亡くなった正さんは、仮設住宅などを回り、被災者に紙芝居を読み続けた。春美さんは「夫を駆り立てた紙芝居の重みが分かった」と話した。広島の市民団体「まち物語制作委員会」が紙芝居を作り、上演会を企画した。(胡子洋)

(2014年3月23日朝刊掲載)

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