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碑文説明 平和宣言に 広島市文案 サミット踏まえ

 広島市は9日、ことしの平和記念式典に向け、平和宣言の文案を検討する懇談会の第2回会合を市役所で開いた。松井一実市長は、5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の際に各国首脳たちに自ら語った、原爆慰霊碑の碑文の説明を宣言に引用する考えを示した。

 松井市長はサミット時に平和記念公園(中区)で首脳たちの献花に同行。「過ちは繰(くり)返しませぬから」と刻んだ碑文について「人類全体が犯した戦争という過ちを再び繰り返さないという決意表明の言葉」「世界平和を祈念する『ヒロシマの心』だ」などと説明していた。

 全委員8人が出席した懇談会は、冒頭を除いて非公開。終了後、取材に応じた松井市長によると、委員から「(サミットで)市長が各国首脳に直接説明した慰霊碑と原爆ドームの説明を引用しては」との意見があったという。「サミットの良いところを引き出したい」と述べた。

 この日は、市が取り組む「平和文化」の振興を柱にした宣言の骨子案を示した。松井市長は委員の意見を踏まえ、7月上旬の最終会合で文案を示し、8月上旬までに起草する。(太田香)

(2023年6月10日朝刊掲載)

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