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「広島平和サミット」と成果強調 広島市長

 広島市の松井一実市長は9日の記者会見で、5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を総括した。各国の首脳が被爆の実態に触れて「核兵器のない世界」を目指すメッセージを発信したとして、「大きな意義がある。『広島平和サミット』と言える」と成果を強調した。

 松井市長は、核兵器を持つ4カ国やウクライナの首脳が原爆資料館(中区)を見学し、被爆者とも対面した点を評価。「歴史に残るサミットになった」と受け止めた。G7首脳が初めてまとめた核軍縮に特化した文書「広島ビジョン」に関しても、核兵器数の減少傾向の継続などを示した点を挙げて「一定の評価をすべきだ」と指摘。その上で、各国首脳に「『核兵器のない世界の実現』に向けた具体的な行動を」と求めた。

 ただ広島ビジョンを巡っては、核抑止を堅持し、核兵器禁止条約に言及していない点を被爆者たちが批判している。松井市長は「必ずしも十分ではないという指摘はその通りだが、着実に努力していく必要がある。不十分だが、踏ん張った」との見方を示した。(小林可奈)

(2023年6月10日朝刊掲載)

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