×

連載・特集

[G7閣僚会合▶▶論点は 岸田政権閣僚に聞く] 斉藤鉄夫 国交相(交通相会合16~18日、三重県志摩市都市相会合 7月7~9日、高松市)

広島を例に交通体系議論

 先進7カ国(G7)の交通相会合が16~18日、三重県志摩市である。広島市での首脳会議(サミット)は先月閉幕したが、重要テーマの持続可能性は交通政策にも通じる。議長を務める斉藤鉄夫国土交通相は「広島の例も挙げながら議論していきたい」と意気込む。(口元惇矢)

  ―どのように会合をリードしていきますか。
 G7各国では、温室効果ガスによる気候変動や高齢化の進行といった共通の社会的課題に直面しており、脱炭素化や地方での移動手段の確保について正面から取り上げる予定だ。各国の大臣と膝を突き合わせて、認識を共有したい。

  ―交通分野の現状や課題をどう考えていますか。
 公共交通機関をどのように維持し、あらゆる人々が安全で利用しやすいものにするかは一つの課題だ。少子高齢化や人口減少はいずれG7の共通課題になる。その状況下で地域公共交通をどう守っていくのか。課題先進国として、積極的に発言しなければならない。

  ―広島でも、官民による路線バスの共同運営システムが検討されています。
 持続可能な交通体系について、できれば広島の例も挙げながら議論したい。日本の場合は多くの交通事業者が競争しているが、それだけでは成り立たなくなっている。新しい仕組みをどう作っていくのかという話はできるのではないか。

  ―国交相としては、7月に高松市である都市相会合でも議長を務めますね。
 地球規模課題の解決には、人口や資産が集中する都市での取り組みが重要だ。都市相会合は今回が国内初。持続可能な都市の発展に向けた協働をテーマに、幅広く議論したい。

  広島サミットをどう見ていましたか。
 G7各国の首脳が原爆資料館(中区)を訪問し、核兵器のない世界に向けて被爆地広島の思いを見てもらえたことは非常によかった。交通相、都市相両会合を通じ、広島サミット全体の成功の一翼を担いたい。

 <交通相会合>会場は三重県志摩市の志摩観光ホテル。イノベーション(技術革新)の導入や普及、持続可能性などの観点で交通政策の在り方を議論する。

 <都市相会合>会場は高松市のかがわ国際会議場。気候変動への対応や多様性を考慮した取り組み、デジタル技術の活用をテーマに見込む。

(2023年6月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ