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中国庭園の移設本格化 サカスタ建設で解体→市中央図書館北側へ 来月から試掘 来夏にも完成

 広島市は、市中央公園(中区)にあった中国庭園「渝華園(ゆかえん)」を公園内の市中央図書館北側の緑地に移設する。中国・重慶市との友好都市提携5年を記念して広島市が1992年に築いたが、サッカースタジアム建設のため解体。近場で再建先を探していた。市民の新たな憩いの場になるよう、2024年1月着工、7月の完成を目指す。(川上裕)

 旧庭園は城南通りに面した市中央公園の一角約1700平方メートルにあった。大きく反り返った屋根が特徴のあずまやを配すなど、四川省の伝統的な庭園を再現していた。

 スタジアム建設地となり、21年に解体したが、重慶市から「市中心部に移転してほしい」との要望が寄せられていた。このため、広島市は公園内で適地を検討。旧庭園から南東に約400メートル離れた中央図書館の北側の緑地を選んだ。

 市はすでに移設先をフェンスで仮囲いしており、7月から埋蔵文化財の有無を調べるために試掘する。新庭園は、旧庭園を囲っていた塀(高さ約2・6メートル)をなくして周辺の緑と調和させ、あずまやや正門は、解体した部材を使って建て直す。

 一方、敷地を確保するため、樹木の移植や伐採、一部の碑などの移設を検討する。費用はスタジアム建設費282億9千万円に含まれている。

 市国際化推進課は「塀をなくして入りやすくし、市民が憩える庭園にしたい」としている。

(2023年6月15日朝刊掲載)

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