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平和学 今井さん修士号 広島市立大で初 就職先でも途上国支援へ

 広島市立大大学院国際学研究科2年の今井愛さん(24)=長崎市=が、発展途上国の非政府組織(NGO)の現状をテーマにした論文で同大初の「平和学」の修士を取得し24日、学位記を授与された。ヒロシマで修めた専門知識を生かし、就職先でも途上国支援に関わる決意を新たにしている。

 今井さんは2013年10月にカンボジアに3週間滞在し、地元NGO代表5人にインタビュー。修士論文で、国を相手に訴訟したり、協調したりしながら人権擁護や、若者・女性支援に取り組む市民たちの実情を、吉田晴彦教授(国際協力論)の指導でまとめた。

 北九州市出身。同市で過ごした高校時代に途上国の問題に関心を持ち、広島市立大国際学部に進学後はバングラデシュ支援のNGOについて学んだ。就職先は海外展開する大手衣料品チェーン。「将来は途上国の店舗に赴任し、現地の人が自ら経営や商品開発をする力を身に付ける手伝いをしたい」と意気込む。

 同大は国公立大として初めて、11年度に「平和学」の修士を取得できる大学院の課程を新設。被爆の惨状などを学ぶ必修科目や国内外の平和関連機関でのインターンシップがあり、核問題から貧困、差別まで幅広い平和関連のテーマを扱う。現在は1人が在籍(休学中)。来月、1人が進学するという。(明知隼二)

(2014年3月25日朝刊掲載)

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