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ジュノー博士の志 核廃絶へ語り継ぐ 中区 功績しのび記念祭

 原爆投下直後に医薬品を携えて広島入りし、被爆者を治療したスイス人医師マルセル・ジュノー博士(1904~61年)をしのぶ記念祭が18日、広島市中区の平和記念公園南にある顕彰碑前であった。県医師会や日本赤十字社県支部などでつくる実行委員会の主催で約130人が参加した。

 県医師会の松村誠会長(73)は「人道を重視した博士は今の世界情勢をどう見るだろうか。広島から核兵器のない世界を目指すと誓いたい」とあいさつ。ガールスカウトとボーイスカウトの県連盟の代表計7人が平和の誓いを読んだ後、参加者が顕彰碑に献花した。

 平和の誓いを述べた井口台中1年佐伯和奏(わかな)さん(12)=西区=は「国や立場にかかわらず人々を救った博士の姿を語り継ぐ」と語った。

 赤十字国際委員会駐日首席代表だったジュノー博士は広島の惨状を知り、連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー最高司令官に掛け合い計15トンの医薬品を広島に運び込んだ。記念祭は博士の亡くなった6月16日ごろに毎年開いている。(木原由維)

(2023年6月19日朝刊掲載)

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