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「重要な展示品見た」 G7首脳の原爆資料館見学 政府が書面回答

 岸田文雄首相は19日、広島市で5月にあった先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせた各国首脳の原爆資料館(中区)訪問について「資料館の主な展示テーマに即した形で重要な展示品を見ていただいた」と明らかにした。13日の記者会見で指名されなかった中国新聞の質問に書面で回答した。

 資料館は実物資料で被爆直後の惨状を伝える「8月6日のヒロシマ」や「核兵器の危険性」が展示のテーマとなっている。首脳らへの取材で「伸ちゃんの三輪車」として知られる遺品や血だらけの学生服を見たことが分かっているが、見学の様子は非公開とされ、今回の回答でも伏せられた。その理由については「各首脳にありのままの心で被爆の実相と向き合ってもらうため」と説明している。

 日本政府によると、「時間的な制約」がG7首脳にはあるとして、原爆資料館の本館から東館にあらかじめ移された展示品を見た。米国、英国、フランスの核兵器保有国を含む首脳訪問の成果について、首相は書面回答で「静謐(せいひつ)かつ厳粛な雰囲気の中、被爆の実相への理解を深めてもらえる歴史的な貴重な機会とできた」とした。(樋口浩二)

(2023年6月20日朝刊掲載)

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