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平和文化の振興 英語でアピール サミット機に広島市

 広島市は、冊子「平和文化の振興」の英語版を作った。5月に市内であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を機に、市の平和行政の考え方を広く知ってもらおうと企画。日本語版もあり、国内外の来訪者に配る。

 冊子はA4判カラー20ページで全7章からなる。うち第3章で「平和文化」について解説し、人の気持ちや行動との関係では、「容易に『ポジティブな気持ち』になれる生活環境」をつくり上げるために不可欠な取り組みと成果全てと指摘。また、平和学のパイオニアとして知られるノルウェーの社会学者ヨハン・ガルトゥング氏の説明から「あらゆる暴力を否定する文化」とも強調している。

 第4章では、平和文化を振興する意義に関し、市民社会で「核兵器のない世界」を目指す総意を形成し、核抑止論に頼る為政者の政策転換を促すことにつながると説く。第5章で都市の役割に触れ、文化芸術やスポーツ交流により平和を実感できるまちづくりなどを例示している。

 英語版は5月に1万部を作成。日本語版は2月に2万部作っており、いずれも原爆資料館(中区)や市役所で無料配布している。市ホームページでも閲覧できる。市平和推進課は「多くの人に読んでもらい、市民一人一人による主体的な平和への取り組みが広がるよう期待したい」としている。(太田香)

(2023年6月20日朝刊掲載)

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