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広島サミット閉幕から1ヵ月 首脳の芳名録 今夏にも公開 平和公園内で調整

 広島市で先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した首脳たちが書き残した芳名録について、今夏の公開に向けて関係機関による調整が進んでいることが分かった。場所は中区の平和記念公園内の見通し。21日で閉幕から1カ月。各国のトップたちが被爆地で刻んだ核兵器廃絶や平和への思いをアピールする取り組みが続きそうだ。

 複数の関係者によると、国内外から大勢の人が訪れる原爆の日の8月6日までに公開できるよう検討。展示先は、平和記念公園内の広島国際会議場などが候補に挙がっているという。

 G7首脳はサミット初日の5月19日に公園内の原爆資料館を見学した。米国のバイデン大統領は芳名録に「世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう」と記載。英国のスナク首相は英劇作家シェークスピアの言葉を引いて被爆者の苦しみに触れ「私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ」とつづっていた。

 広島市とロータリークラブはG7首脳が芳名録に寄せたメッセージを記念碑にし、南区の比治山公園に置く計画も立てている。

 原爆資料館を訪れた要人たちは芳名録に記帳するのが慣例。2016年5月に現職の米大統領として初めて広島を訪れたオバマ氏は「共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」と記し、6月から館内で公開された。(樋口浩二、小林可奈)

(2023年6月21日朝刊掲載)

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